公園   北野勇作


「公園、ねえ」
「ですよ」
「まあそう言われれば、公園に見えなくもないかな」
「いやいやいや、公園にしか見えないでしょ」
「まあ見える、かなあ」
「かなあ、じゃないでしょ」 
「でもさ、ちょっと傾いてない?」
「そんなこと、べつに」
「傾いてるよね」
「でも、それはありでしょ」
「やっぱ傾いてるんだ」
「だからもういいでしょ、それは。そんなこと言いだしたら、傾いてないものなんてどこにあるんだって話ですよ」
「まあそうなるかなあ」
「そうですよ」
「いやしかし欲を言えばだね」
「まーだそんなこと言ってる」
「女の子がね、地味っていうか、もうちょっとこう、なんていうか、華が欲しいよね、華が。これだけでも取り替えたら?」
「えー、ひっどいこと言うなあ」
「なにが?」
「この子が作ったのに」
「えっ、この子が作ったの?」
「そりゃそうでしょ」
「ひとりで?」
「ひとりで」
「ぜんぶ?」
「ぜーんぶ」
「そっかあ」
「だって、他に誰が作ってくれるんですよ」
「まあそうか」
「そうですよ」
「いや、だけどなあ」





北野勇作
SFとか書いてます。

大喜利に参加させてもらいます。